電子書籍の自炊〜我が家の場合 その4(とりあえず、現時点での総括)
こんな感じで1日に5冊のペースで本を裁断・スキャンし、現時点で約300冊の本をPDF化した。とりあえずの目標である400冊までもう少しである。
本の処理にかまけて、あまり本を読んでないのが残念だ(苦笑)。
それでも、iPadに100冊ぐらい入れておいて、外出してコーヒーショップで読書したりすることはある。実に便利である。
なお、iPadにPDFを送る方法はここが分かりやすい。iTunesから簡単に送れる。
iPadというデバイスの購入とi文庫HDという電子書籍リーダーとの出会い(と足の小指のけが)をきっかけに本の電子化をやってみた。
電子書籍(つーか、私が作ってるのはただのPDFですけどね)は本好きの転勤族にとっては福音以外のなにものでもないな、というのが感想である。
就職してから十数年(正確な年数はもはや覚えていない・・・)、その間に異動・転居が7回。父親が引退し、これまで住んでいた家を売って老夫婦用の小さな家に住み替えたため、実家に預けるという手も使えなくなった。結局、転居のたびに泣く泣く本を処分してきた。
それを考えると、多少手間はかかるが、1000冊が小さなハードディスクひとつに収まるというのは画期的である。
むろん、スキャナの性能やiPadのスクリーンの大きさという限界があって、大判の図版やきれいな写真を売りにする本は電子化に不向きだ。
それに、最近の本は版下をデジタルで作っているのに、それをわざわざ紙に印刷して、さらにぶった切る、というのは奇妙な気がする。
電子書籍は決して万能ではないが、少なくとも本好きをさらに本にのめりこませる効果があると思う。なにせ、多少の手間さえいとわなければ、保管スペースを考えなくてもいいので衝動買いのし放題である。困ったもんだw。
こんな、本好きの財布をさらに寂しくさせるのに絶大な効果のある電子書籍ですが、ニュースを見ている限り、業界、とくに大手出版社には、後ろ向きな姿勢を感じる。ま、業界的にはおいしい話じゃないんだろうな、とは推察できる。販売の一部がネットに移行すれば、書籍の流通・販売を担う部門は変化に直面せざるを得ないし、出版社だって今の取り分が維持できるかどうかもわからないし。違法コピーへの懸念もあるのだろう。
もっとも、一読者にしてみれば、納得できる価格で便利なサービスが提供されればそれでいいのである。電子書籍サービス立ち上げのニュースをちらほら聞くが、業界のしがらみにとらわれて使いにくいものにならないことを祈るしかない。
既存の電子書籍サービスとしては、中公でやってるのを使っている。ノベルスを10冊ほどPDFで購入した。読むのは問題ないのだが、コピー防止としてKeying Libraryという電子書庫ソフトを通さないと閲覧できない。操作がちょっと煩雑なのと、はたしてバックアップがうまくできるかどうかが不安なところ(できることにはなっているが・・・)。それに、一番の問題はMacに対応していないことである。
電子書籍は、ぜひオープンかつクロスプラットフォーム環境で出版してくれるようお願いします!
つーか、i文庫HDで読めるフォーマットで販売してくれればそれでよいのだが。
あ、それから、足の小指は全快しました。
とりあえず、おしまい。