2010年J1第13節 FC東京 2 - 2 ヴィッセル神戸


3連休初日はJリーグ再開の日である。今回はスリーデーパスを使っての東京遠征。交通費節約のため、始発の鈍行に乗るつもりだったが、起きたら10時orz。しかたなく?新幹線で東京に向かう。

暑さが心配だったが、味スタでは程よい風が吹いていて、割と涼しかった。ビールがうまい。



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東京はいつもの4-4-2。ただしメンバーは大きく変わっている。FWには新加入の大黒をさっそくスタメン起用し、リカルジーニョとコンビを組ませた。右MFには大竹が入る。長友が抜けるDFラインは、右SBに北斗、左SBには松下という布陣。キャンプでの負傷が伝えられた石川はベンチスタートである。


神戸は4-2-3-1フォーメーション。ボランチから前の人選は順当と思えたが、DFラインの構成がちょっと謎。北本が右SB、センターは宮本と河本という布陣である。暑い中のアウェイゲームなので、前半は守りを固めて後半で勝負するプランだったのだろうか。三浦監督の頭には、東京が守備ブロックを固めた相手に攻めあぐんでばっかりだったというイメージがあったのかもしれない。


だが、リニューアル東京はいままでとは違った!・・・少なくとも前半は・・・
キャンプで練習してきたというショートカウンターが開始10分に炸裂。中央の大黒が左スペースにパスをはたくと、これを受けたリカルジーニョががら空きの左サイドを前進、エリア左に進入しシュートを放つ。シュートは榎本がはじいたが、長い距離を走ってきた梶山が詰めて見事に先制である。

続く16分、リカルジーニョが左サイド深くから、個人技で宮本と北本をぶち抜き、ペナルティエリアに侵入してクロス。混乱した神戸DFはゴール前に走りこんでくる大竹をマークできない。大竹が難なくボレーで合わせ、東京が2点目をゲットした。


このあと、東京はややペースダウンしたものの、終始ボールを支配し前半を終える。


神戸は、東京のパスミスをカットしてカウンター、そしてセットプレイから時おり東京ゴールを脅かしたが、いずれも散発的。
前線で孤立した戸倉にボールが収まらず、ブロックを押し上げることができない。そもそも、ブロックを築いてはいるが、プレスをかけてこないので東京にまわされ放題である。エジミウソンの不調が誤算だったのかもしれない。前半のうちは、なんらかの修正を試みる雰囲気がなく、ただ漫然と東京の攻撃を甘受していた。


だが、神戸はさすがに後半頭から修正してきた。ハーフタイムに宮本→石櫃、エジミウソン→近藤という選手交代で、4-1-4-1にシステムを変更。


都倉
茂木 大久保 ボッティ 朴
      松岡
近藤 河本 北本 石櫃

2列目の人数を増やし、東京DFラインにプレッシャーをかけて後方でのつなぎを妨害し、東京からリズムを奪う。ボールを奪ったらわらわらと人が上がってくる。単調なショートカウンターにならないよう、大久保が細かく変化をつけてきて、いやらしかった。


調子に乗った神戸は我那覇を入れてダブルポストにしてくる。中盤に運動力があり、2列目がポストプレーから突進をかける。足が止まった東京はパスをつなげなくなり、押し込まれる。神戸は両SBともに上がってきて、特に松下は石櫃にやられ放題になっていた。


それでも東京にはカウンターのチャンスがあった。羽生のロングクロスから逆サイド大黒がダイレクトボレーを試みるが、これは叩きつけすぎ。そのあと、同じような羽生のクロスを大黒が落とし、大竹がループシュートを狙うが榎本の好守に阻まれる。まあ、中断前のカウンターはあれ(どれ?)だったんで、しっかりフィニッシュまで持っていくあたりは合宿の成果だろう(ポジティブシンキング)。


その後、東京は、羽生→鈴木達也、大竹→石川という選手交代でさらにカウンター指向を強めるが、これは悪い手だった。羽生、大竹が下がってパスの出し手がいなくなってしまったのだ。守備面での貢献があった達也はともかく、石川はあまり試合に絡めなかった。


東京は、最後の交代カードとして平山を投入。しかし、この起用も裏目に出た。平山は動きに鋭さが感じられず、カウンターの起点にもなれなければ、守備面での貢献も少なかった。コーナーフラッグ付近での時間稼ぎを見せる場面はあったが、全体としてはやる気がないのかと思われかねないパフォーマンスだった。

結果論だが、椋原かヨングンを入れて、守備固めをしたほうがよかったかもしれない。松下のサイドに蓋をするだけでも、だいぶ違ったと思う。


失点自体は、ボッティの「クロシュー」が偶然入ったのと、PKからという不運なものだった(ただし、森重は反省するように)。


ただし、失点に至ったゲーム運びの拙さは問題。たとえ3点目が取れなくても、ゲームを落ち着かせることが必要だった。それができるのは羽生だが、いつものように途中交代してしまった。羽生がいなくなったあと、流れが一気に神戸に傾いた気がする。控えに試合をクロージングしてくれるボランチがいれば少し違ったような気もするが・・・
この試合では選手交代自体がはまっていなかった。このあたり、層の薄さがもろに出ちゃってるな。


神戸さんにはですね、後半みたいにできるんだったら最初からやれよ、といいたい。三浦さん、興業というものを考えろ(苦笑)。ゲームプラン&スタメンの選択を明らかに間違ってたし、前半の間はそれを修正するそぶりすらなかったので、あのまま負けていたら監督の信頼度ががた落ちだったなと、他サポながら心配してしまう。


リカルジーニョは良かった。スピードと独特のボールタッチが通用していた。宮本さん、あいつ、オフサイドは分かってるよ。俺は、ちゃんとオフサイドラインを気にしているシーンを見たぞ(ぶち抜かれた腹いせに嫌味とは、恒サマも結構ダークなお人よのw)。
大黒は、すばやい動き出しはもちろん、ポストワークもこなし、守備での貢献も大。すでにチームになじんでいる感じである。後は、どんどんボールを付けてやれば、すぐにも結果が出そうな気がする。
大竹はゴール前に出て行ってフィニッシュを狙う動きがよかった。ただ、もう少しパサーとしての働きが見たかった。大黒との相性はいいと思うぞ。