2011年 J2 プレビュー 京都サンガ編


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4CBという斬新なシステムを採用してマニアックな関心を惹いた'10シーズン。時にはCB属性の選手が6人ぐらいピッチに出ていたな(増嶋、水本、カクテヒ、染谷、角田、西野・・・)。こういう、興行的には問題のある守備重視のスタイルで行くかと思いきや、どうもホームゲームでは中途半端につないで攻めるスタイルを採ろうとしたらしく、あっちこっちに綻びが生じて降格、ということになったらしい。最終戦の堅守速攻スタイルを見る限り、易々と降格するチームには見えなかったけどなあ。


そしてJ2に降格した今オフ、京都は草刈り場の一つとなった。退団は計9名。水本、増嶋、角田を引き抜かれた。このほかに、レンタルのチエゴとラフプレーが多い西野泰正との契約を更新しなかったため、京都名物4CBは解体したと言ってもいいだろう。
痛いのは攻撃力のある右SB渡邊大剛とボランチの一角を担っていた片岡をJ2からの強奪を得意とする大宮に引き抜かれたこと。このほか、柳沢と中谷は契約非更新、GK平井は引退、ということで、ここ2,3シーズンの主力がごっそり抜けた。


新加入は9名。Jで実績のある選手は工藤浩平と秋本だけで、3人が日韓の大学生、4人が下部組織からの昇格である。大卒組では駒大の大型右SB・酒井が注目株かな。予算の都合なのだろうが、1年でなにがなんでもJ1復帰、というわけではなく、2〜3年のスパンでチームを作っていこうという感じを受ける。短期的には、ディエゴ、ドゥトラの契約更新に成功したのが最大の補強になってしまった。


選手だけでなく、クラブ内部の人事も一新。GMに祖母井さんを、監督に大木さんを迎えた。
選手総数は28名(1月24日時点)。外国籍が4名(アジア枠を活用、金成勇は在日で外国人枠が適用されない)。日本人の出身は、大卒が9名(GK児玉が京都ユースに所属していたほか、2名がJユース出身、残り6名が高体連出身)、高体連出身が7名、京都ユースから昇格してきた選手が5名、他のJユース出身が3名、という内訳。


甲府で特異なパスサッカーを作り上げた大木監督だけに、カトQ時代とはスタイルががらっと変わると思われるが、はたしてそれが実現できるラインナップかという観点で、以下に妄想スタメン。



GK:リーグ終盤戦に起用され、悪くないパフォーマンスを見せた守田が正GK候補。第2GKはベテランの水谷と関大出身の児玉との争い。

DF郭泰輝がどうやら残るらしい。コンビを組むのは染谷か甲府から加入の秋本。渡邊大剛が抜けた右SBには新人の酒井が来ると見る。左は森下もしくは中村太の争い。CB属性の選手が少なくなり、少々さびしい?

MFボランチから角田と片岡が抜けた。チームに残留した安藤淳と千葉から新加入の工藤でダブルボランチを組むのかな・・・と思っていたら工藤が左ひざじん帯断裂の重傷で離脱(つ鶴)。工藤を中盤の軸に据えようとしていたと思うのだが、中盤の構成がどうなるのか、キャンプやPSMを見ていかないとよくわからない。注目株は、韓国のユース代表であるチョン・ウヨン

FW:ディエゴ、ドゥトラの2枚看板とユース出身の宮吉が軸。ブラジル人のどっちかは2列目での起用もあるか。ハウバート・ダンとか出てこないのかな。


DFをごっそり抜かれたとはいえ、もともとCB属性の選手が多すぎたんで、チーム構成としてはすっきりした感じ。弱体化は否めないが、それでもブラジル勢を使ったカウンターサッカーに徹すれば、そうとういやらしいチームになると思うが・・・そうしてこないよな、きっと。


しかし、工藤が長期離脱濃厚ということで、甲府時代のようなサッカーをするには苦しい布陣。大木さんにとってはいきなりの誤算だろう。若手を使ってチーム力の底上げを図るシーズンになるかもしれない。それでも、昇格戦線には食い込んでくると思うが。