2011年J2第19節 FC東京 3 - 0 ガイナーレ鳥取(観戦22試合目)


(高解像度イメージは、画像をクリックして"オリジナルサイズを表示"を選択)


J2第18節は味スタで夏のナイトゲーム。J2昇降格対決であり、水木しげる翁の居住地/出身地ということで妖怪ダービー?でもある。


東京のスタメン:
4-2-3-1(実質0トップ)を継続。スタメンはここ4試合変わらず。権田が戻ってきても、塩田がスタメンを張る。Winning team never change・・・
石川・達也の横須賀コンビがそろってコンディション不良でメンバー外。ベンチに巧とノースが戻ってきた。


鳥取のスタメン:
4-3-3。開幕時は4-4-2だったが、試行錯誤の結果、変わっていった。アンカーを務める服部の負担が気になるところだが、インサイドハーフの実信・吉野がよくフォローしているようだ。4-4-2のときもそうだったが、コンパクトなプレスからの速攻が持ち味。あんまり見てないが、カウンター時に前の人数を増やしたいこと、サイドのスペースを使いたいということから、3トップにしたようなふしがある。

右SBは尾崎。レギュラーCBの喜多が負傷ということで代わりは今季初出場の内間、個人的に注目しているルーキー・キムソンミンはベンチスタート。ベンチには、スーパーサブハメドに加え、岡野も入っている。


試合開始は18:30。


鳥取はハーフウェイからちょっと入ったあたりにMFが並ぶように守備ブロックを押し上げ、3トップからボールを追ってくる。しかし、ボールホルダーへのアプローチに鋭さがなく、東京のDFライン-ボランチ間のパス交換を遮断出来ない。
東京は守備ブロックの外側でゆったりとボールを回して隙をうかがう。この試合では、前線の裏取り、2列目の追い越し、SBのオーバーラップなどの動き出しがこれまでの試合より多い。
しかし、鳥取も良く守るため、遅攻からはシュートチャンスが掴めず、むしろ中盤の奪い合いでボールを取れたときに繰り出す速攻のほうが効果的。7分、中盤で奪った谷澤がそのままドリブルで持ち込んで打っていったのが東京のファーストシュート。


鳥取は高い位置で奪っての速攻狙いだったが、それがはまったのが10分。中盤での競り合いで、こぼれたボールを拾った実信がドリブルで突っ掛け、スルーパス。これに反応して奥山が斜めの動きでゴール前に入っていくが、追走した北斗のカバーリングによりシュート打てず。


15分すぎからはゲームが落ち着き。東京がボールを回して鳥取守備陣を走らせる場面が多くなる。東京が繋ぎから初めてシュートチャンスを得たのは18分。梶山?のスルーパスにセザーが反応、シュートまで持っていくが鳥取DFがブロック。跳ね返りを拾った徳永がクロスを入れるがこれも尾崎がクリア。
続いて20分、遅攻から左サイドへ展開、草民がマイナスのクロスを入れ、走り込んだ高橋がミドルを狙うがバーを越える。


鳥取は梅田にクサビを入れて起点を作ろうとするが、東京の両CBが対応しサポートが来る前に潰す。23分、梅田への縦パスを潰して東京がカウンター。スペースで受けた羽生がターンして縦パス、これを受けたセザーがドリブルでペナルティエリアまで運んでシュートするが、グラウンダーの一撃は小針によって弾かれた。


鳥取は実信が起点となってカウンターを狙う。
28分、実信が右サイド奥のスペースへパスを通し、奥山がタッチライン際を走るが北斗が追走してCKに逃れた。このCKを美尾が蹴る。ペナルティエリア中央付近で混戦となり、密集からこぼれたボールが弾んで服部の前へ。フリーの服部が頭で押し込もうとするが、シュートはポスト左に逸れた。これが前半、東京にとって最も危険な場面だった。
さらに33分、美尾が実信とのワンツーからエリア左に侵入するが、東京DFがしっかり付いてシュートコースを塞ぐ。美尾は強引に打っていくが、ボールはゴールを大きくそれた。


以後は、東京がボールを保持し、ほぼ一方的に攻撃。
34分、右サイドで徳永が仕掛け、ディフェンスを一人抜いてからマイナスの折り返し。これを中央で梶山がスルーし、ファーサイドで草民がドフリー。決定的だったが、ボレーシュートは小針の守備範囲に飛んでしまった。
39分、高橋の縦パスをトリガーにセザー、羽生、谷澤の3人が加速。セザーから羽生を経由してDFのギャップに入り込んだ谷澤へワンタッチでパスが渡る。しかし、谷澤のトラップが長く小針がキャッチ。


鳥取は次第にパワーダウンして、ボールを奪っても前に運べなくなっていたが、前半終わり近くに反撃を見せる。43分、右サイドでワンタッチのパス交換を行ってマークをはがした実信がカットイン、対応に出てきた梶山をフェイントでかわしてエリアに侵入しようとし、慌てた梶山に倒される。約25mのFKを美尾が狙うが壁。跳ね返りは塩田ががっちり押さえる。


東京がほぼ試合を支配し遅攻から崩して決定機もつくったが、鳥取の守備陣が最後のところを踏ん張って前半はスコアレスでの折り返しとなった。


ハーフタイムに花火が上がって景気づけ。観客の雰囲気が盛り上がったところで後半開始。


鳥取は、後半頭から吉野に代えてキムソンミンを投入した。キムは右ウィングに入り、美尾が吉野の抜けた左インサイドハーフに回った。


後半も、ポゼッションする東京、カウンターを狙う鳥取という図式は変わらない。
鳥取は依然として高めの位置で圧力を掛け、ショートカウンターを狙うが、東京は例えボールを奪われても素早い切り替えでチェックをかけ、パスを繋ぐことを許さなかった。
それでも、鳥取は48分、クサビを受ける梅田を潰そうとした森重のプレーがファウル判定を受け、警告(森重の連続無警告はストップw)。このFKを、前半に続いて美尾が直接狙う。今度はグラウンダーで壁の下を抜いていったが、塩田が危なげなくキャッチ。


以後の鳥取は、ボールを得てもプレーを急ぎ、ミスでボールを失う場面が目立つようになる。


東京は、セカンドボールを拾ってのカウンター、ポゼッションから個の力を使って最終勝負、とあの手この手で攻め立てるが、最後のところでわずかに精度を欠き、なかなか決定機を得られない。

50分、ゆったりした繋ぎから、左サイドで加速するスペースを得た北斗が勝負を掛ける。鳥取DF2人が対応するが、北斗はペナルティエリアに侵入、派手な切り返しから右足のクロスを上げる。これに谷澤が飛び込むが、ヘッドはわずかに届かず。52分には高橋のインターセプトから梶山のドリブルシュート(鳥取DFがブロック)。54分には右タッチライン際へのロングボールから速攻。長い距離を走って追いついた谷澤がクロスを上げ、ファーサイドで待ち構えたセザーがボレーで叩くが枠を捉えられず。


しかし、休む間を与えないボール回しが鳥取の集中力を徐々に削っていったのか、東京は得意のリスタートから先制点を奪う。58分、左スローインを受けた北斗が勝負して尾崎のファウルを誘い、左タッチライン際でFKゲット。これに鳥取の選手が異議をとなえているうちに谷澤がクイックリスタート。裏へ流したボールを羽生が速いクロス、これに飛び込んだセザーが合わせて先制(59分)。


その後もボールを保持し、2点目を狙い続ける東京。鳥取は東京のボール回しに対し果敢に食らいつくが、セカンドボールの回収率は圧倒的に東京。ポジショニングのバランスが良く、こぼれ球に対し余裕を持ってアプローチが掛けられる印象(余裕持ちすぎのプレーも散見されたが・・・)。


67分、東京が後方でゆったりボールを繋ぐ。既に鳥取はボールを追いきれず、フリーでルックアップした梶山が左サイド深くへロングフィード。羽生が受けて折り返そうとするが、尾崎がカット。しかし、鳥取がセカンドボールを拾って繋ごうとした時、猛然と奪取した高橋がアタッキングサードでのインターセプトを成功させる。高橋はそのままペナルティアーク付近に前進、フェイクをいれてコースをつくってからシュート。これがゴール右に収まり、東京が追加点をあげた。


72分、鳥取は2枚交代で最後の反撃。梅田→阿部祐太朗、奥山→ハメドと、FW2人を投入する。フォーメーションは4-4-2にシフト。2トップが阿部とハメド、MFが右からキムソンミン、実信、服部、美尾となる(DFラインはそのまま)。


しかし、ゲームをクローズしにかかった東京はバランスを崩さず。
ハメドは柔らかい足元を見せるが、スルーパス、ドリブル勝負ともに不発。ボールを受けに中盤に下がってしまう場面もあり、実力を発揮できず。82分、ハメドフリーキックのこぼれ球をキムソンミンが思い切って狙っていった場面が、鳥取の最後のチャンスだった(シュートはネット上)。


85分、東京はセザーに代えて大竹投入。89分、その大竹のコーナーキックから森重がニアサイドに飛び込んで頭で反らし、これが決まって東京がトドメの3点目。以後は選手交代とポゼッションで時間を使って、危なげなくゲームを締めた。


ほぼ完勝といえる試合内容。いろいろと試行錯誤してきたことが、ようやく形となってでてきたかな。


前節からの改善点としては、遅攻からシュートチャンスを作れるようになってきたことが挙げられる。岡山戦では、2列目の追い越す動きが以前に比べて目立つようになってきたものの、連携が取れているとはとてもいえず、裏へ走る選手にパスを出しても繋がらなかった。しかし、この試合では、スタンドを沸かせる場面をいくつか作り出した。何をトリガーにして連携した動き出しを始めるか、選手間でイメージが出てきたんでしょう。まあ、流れの中からは決まらなかったわけだが(谷澤師匠・・・)。


守備面では、序盤からカウンター対策がなされていたこと。実信に何度か裏へパスを通されていたが、いずれもサイドバックもしくはボランチが追走し、フリーにさせなかった。水戸戦、岡山戦と連続して大カウンターをそれも複数喰らっていたので、この点はしっかり対応してきた模様。


あと、全体にゲーム運びが良かった。速攻と遅攻の選択、ゆったりしたボール回しからのスピードアップ、詰まったときのやり直しの判断と再攻撃の組み立て方、そして隙を見てのクイックリスタート。こういう試合を続けられれば、勝ち点を積み上げていけると思う。


ただし、まだ集中力がふっと抜ける瞬間があるのが気になった。前半、セットプレーから服部にシュートを許した場面とか、バックラインでのパス回しをカットされそうになったところとか(森重ですな)。あれがフィジカルの強いFWだった場合、シュートまでもってかれた可能性が高い。


上位2チームも簡単には負けそうもないので、しばらくは我慢くらべが続くだおろうが、軌道には乗ってきたと思う。この路線で徐々に積み上げていって、秋口にまくりをかける、というストーリーが見えてきたかと。
これから夏場を迎えるが、相手に消耗を強いるスタイルなので、例年のような夏ばての危険性は少ない。サブでは、2列目タイプはなんだかんだ言っても頭数は揃ってるし(というより2列目タイプしかいない)、サイドバックはもう1セット持っている。問題はボランチセンターバック。梶山・高橋のコンディションが持つか、今野が代表で抜けたときどうするか。
その意味では、サブのメンバーをできるだけ試して欲しいのだが、この試合では交代が遅かったなあ・・・調子が良すぎて代えにくかったのかもしれない。それにしても、北斗が調子よかった試合の終盤で、「巧カード」を出して気を引き締めにかかるとは、大熊さんってサド。


もう一つ、先行されたときの対処ですね(リバウンドメンタリティーという便利な言葉があるらしい)。玉砕覚悟で鬼プレスをかけてくるチームが必ず出てくるだろうし、サイドバックを前に上げるスタイルである以上、必ず何回かはカウンターからピンチを迎える。失点しても、落ち着いて、同点、逆転に持って行ければ、そのときに本物になったと言えるんじゃないかな。


大きな関門は8月後半〜9月頭の栃木戦2試合。ここを目標に積み上げていければ。


鳥取は、前からボールを取ろうとしているのはわかったが、ボールホルダーへのアプローチにいまひとつ鋭さがなかった。ベテラン揃いのチームで(平均年齢30歳・・・)、かつ中2日の連戦のため、コンディションが落ちていたのかも知れない。スタメンもベストメンバーではなかった。



以下、写真。

お宝グッズプレゼントのむっくん。アイドル扱いかよw


鬼太郎とねずみ男は後ろ姿しか捕捉できなかったが、ドロンパwith目玉おやじはゲットした。



遠方からおいでませ。


今回のキッズチアはレベルが高い。高学年の子がいるからかな。



ルーカスは49番。挨拶は日本語。関西弁になってなくてホッとした・・・


インテル様もいらっしゃった!


この試合はセザーに期待。歯が欠けたわけではなく、表示装置のドット欠けです。


前半はスコア動かず。カツを入れるために花火が上がる!

ちゅどーん

ちゅどーん

ちゅどーん



そんでもって勝った−(帰りの新幹線の時間ギリギリなので、ロスタイムに入ったらゴール裏を通って移動するのだ)。