第88回全国高校サッカー選手権 1回戦 北越高校 0 - 5 国見高校


第二試合は、新潟県代表の北越と、お久しぶりねの長崎代表・国見との一戦

北越は4-4-2。神戸に内定した北信越プリンス得点王のFW有田が注目の的。
国見はいつも通りの3-5-2。


試合は、国見の一撃で幕を開けた。
開始1分、須郷が右サイドをえぐってマイナスのクロスを入れると、DFラインよりちょっと下がった位置で待ち構えていた大町がボレーで叩き込んだ。大町はノーマーク。北越は試合に入りきらないうちに先制点を奪われた格好となった。


国見は手をゆるめず、さっさと試合を決めにかかる。
8分、右サイド裏へのフィードに須郷と松田が走る。対応する北越のDFは一人だけ。CB二人は中央に留まったままであり、須郷がボールを収めてエリア内に入り込み始めてからようやくカバーリングに動いた。が、カバーは間に合わず、やや角度の無いところから放たれたシュートが逆サイドネットに収まった。
その後も国見のペースが続く。25分には右CKから布志木が頭で決めて3点目。
北越はまったく反撃の機会を見いだせない状況で、前半終了間際の39分、右クロスに有田が頭で合わせてネットを揺らすが、オフサイド
国見が圧倒したまま、前半終了。


後半、おそらく立て直しを図ろうとした北越の出鼻を、国見がくじいた。41分、右サイド、約30mのFKをFW松田が直接狙う。シュートはポストに当たってゴールイン。これで4-0である。


北越はエース有田にボールを集め、反撃を試みる。
58分、有田が左サイドでドリブル勝負をかけ、国見DF野地のファウルを誘う(野地は警告)。位置は約20m強。壁の足元を抜こうと低いボールを蹴り出すが、国見DFに当たってCK。CKからチャンスは作れず。
61分にも有田のドリブル突破からCKを得るが、モノに出来ず。


77分、国見は交代出場の井上のクロスにFW井福が飛び込み、体ごと押し込むようにして5点目。


国見が北越を蹂躙し、2回戦に進んだ。


北越は・・・・無策だった。能力的に上回る相手に対して、自然体で向かっていって一方的に叩かれた、そんな試合だった。前からプレスをかけてフィードの精度を落とすなり、あるいは引いてスペースを消し、有田のカウンターに賭けるなり、なにか対策が欲しかったな、というのが無責任なスタンド雀の感想。


国見は3年ぶりの選手権出場だが、ずいぶん見なかったような気がする。サッカーはいままでと変わらず、強固な3バックを中心に攻撃を跳ね返し、ボールを奪ったら素早く両サイドや裏へ走るFWへ長いボールを入れていく。基本的に自陣ではボールを持たない。DFラインからのビルドアップなんて、間違ってもやりません。ただし、DFやボランチから出てくる長いボールに精度があり、かつFWやWBの動き出しとタイミングがぴったり合っているのが国見の国見たるゆえんか。攻撃陣に高さはないが、スピードがあって競り合いにも強い選手が揃っている。北越のDFが振り切られる場面が結構あった。アタッキングサードでは細かいパスワークを見せることもあり、それが今年のチームの特徴なのだろう。